通信技術の進歩やYouTubeをはじめとした動画メディアの普及によって、私たちの日常生活の中で動画がより身近なものになっています。
企業もテレビCMだけではなく、商品サイトやSNSアカウントといった自社で行う情報発信の中でも動画を使うことが一般的になってきています。
こうした中で、特に「商品の良さをイメージではなく、機能や開発背景などの面から訴求したい」場合や「文章にすると複雑になってしまう事柄を伝えたい」場合など、何かを説明するシーンにおいては、動画の活用が効果的です。
私たちsimpleshowは、このように「何かを説明するための動画」に特化した制作会社です。これまでに、企業や団体の「複雑なトピックを説明したい」というニーズに応えて世界で1万本以上の動画を制作してきました。
こうした動画は「説明動画」「解説動画」とも呼ばれていますが、なぜこのような動画が使われているのでしょうか。
どのような場面でこの動画を活用すべきか、実際の事例を交えて解説します。
また、当社のこれまでの経験を踏まえて、制作を依頼する際に気をつけるべきポイントについてもお伝えします。
まずは、そもそも説明動画とはどのようなものかについて見ていきましょう。
当社では解説動画と呼んでいるため、ここからは「解説動画」という呼び方で詳しく解説します。
解説動画の一番の特徴は、何かを説明する・理解してもらうことを目的に作られている点です。
実は身の回りにも多くの解説動画がありますので、ここで少し挙げてみましょう。
定義が少し広いですが、こうしたものは全て解説動画の一種です。また、必ずしもWeb上で公開しているものだけではないこともポイントです。
これらの動画に共通しているのは、視聴者にとって実用的であるということです。
動画を見て料理やメイクをしてみる、練習問題を解く、商品を操作するなど、行動を促しやすい側面があります。映画やミュージックビデオのように作品として見るだけではなく、視聴者に役立つ点も解説動画の特徴です。
また、解説動画とは対極にあるのが、イメージ訴求を重視した動画です。これはCMなどでよく使われています。
メロディーに乗せて商品名を出したり、芸能人やキャラクターを起用したりといった手法で、視聴者のイメージなど情緒的な面に働きかけたり、繰り返し見ることで商品名やフレーズを刷り込んだりするのが、こうした動画の代表的な手法です。
例えば商品の認知を高めることを目的にした場合は、このようなイメージ重視の動画が商品の認知を広げるために役立ちます。
その一方で、CMなどで商品名を認知させた後に、詳しい情報を伝える場合には「説明する」「理解してもらう」機能を持った動画、つまり解説動画が適しています。
このように、CM動画と解説動画とでは機能が異なるので、目的に応じて使い分けをすることがポイントです。
ただし、商品の認知を広げる目的であっても解説動画を利用するケースがあります。
家電製品ではこのような例が多く、例えば、冷蔵庫やパソコンといった多機能でスペック重視の商品を訴求する場合などは、解説動画を使って認知拡大をするケースが多くあります。
解説動画は、宣伝だけのために生まれたものではありませんが、「イメージや世界観ではなく、説明することで購買や興味喚起をねらう」場合には有効です。
ここまで解説動画の特徴について紹介しましたが、企業ではどのような場面で解説動画が使われているのでしょうか。
実際の声を中心に、その背景を見ていきましょう。
営業・宣伝活動の中で、商品そのものへの理解をより深めてもらいたい場合には解説動画が使われます。これは、イメージで商品訴求することとは対極にあるケースです。
電気ケトルを例に取ってみましょう。
電気ケトルといえば、水を入れてスイッチを入れるだけで、すぐに沸騰させられるのが主な機能です。
しかし、電気ケトルにはそれ以外にも消費者のことを考えた機能や開発背景が隠されています。
一つは、電気を使うので火災のおそれがないことです。もう一つは、必要な量だけすぐにお湯を沸かせるので、電気ポットのようにまとめて沸かす必要がないことです。保温したお湯を長時間ためておくことによる雑菌発生の心配がない、といったこともユーザーにとってうれしい面の一つです。
このように理由などを交えてはじめて理解できることは、解説動画を使うとより説明しやすくなります。
また少し話がそれますが、イメージを重視した動画では世界観を重視するために、こうした説明を省かざるを得ないことがあります。
例えばCM制作の際に、広告主は商品の魅力を全て詰め込みたい要望を持っていても、制作会社が短い時間で印象づけるために、キャッチコピーを優先させて商品の詳細説明をあえて盛り込まないケースなどは、みなさんもご存知かもしれません。
電気ケトルよりも分かりづらい商品・サービスの説明をする場合も、解説動画が適しています。
保険・金融商品、クラウド製品、精密機器・医療機器などがこうした例です。他にも、企業理念やCSR活動など、そもそも形がないものや見ただけでは分からないもの、抽象的なものについて説明する場合も解説動画が使われています。
もちろん、こうした事柄については、文章を使った説明をすることも可能です。しかし、いくら説明が丁寧であっても、文章を読み込むこと自体がハードルになる場合もあります。
例えば、以下の画像を見比べてみてください。これは私たちがクライアントに最初に見せる資料の一部ですが、どちらのほうがぱっと見た印象で受け入れやすいでしょうか。
それでは、実際にどのような場面で解説動画が使われているのでしょうか。ここからは、過去にsimpleshowが制作した事例をもとに、その利用シーンをより具体的に紹介していきます。
金融商品や保険商品は、無形商材の典型です。特に初めて購入・契約する人にとってはその内容が分かりにくいため、営業担当者が分厚い資料を見せながら時間をかけて説明することが基本になっています。
また、情報がまとめられた冊子やWebサイトを案内したとしても、契約者にとってはそれを読み込む負荷が大きく、読んでもらえなかったり、正しく理解できなかったりする場合もあります。
とある証券会社では、初めて商品説明を聞く人に向けた解説動画を制作。実際に初めて商品を購入する主人公の目線でストーリーが展開することで、商品のメリットや基本知識などを分かりやすく伝えることができました。
これにより、営業担当者は動画によって前提知識を得た人に向けて具体的な説明ができるため、商談の効率をアップさせることに成功しました。
また、別の保険会社では既存の講義のような形式の動画をsimpleshowの解説動画に作り変え、短時間かつ自分ごと化できるストーリー形式の動画になったことでより納得感のある商品説明ができるようになった事例もあります。
ある医療機器メーカーでは、病院の医師向けに商品の販売を行っています。
このメーカーは、営業先である医師はどの病院でも忙しく、移動中の短い時間でしか商品紹介ができなかったりすることや、メールマガジンでのプッシュも効果が頭打ちになっている状況に課題を持っていました。
そこでsimpleshowの解説動画を使い、新製品の機能紹介を約3分間にまとめ、医師との商談やメールマガジンで活用。
その結果、動画を見た医師からの問い合わせが約10倍になり、受注件数もアップしました。
また、医師に実際に会える短い時間でも的確に商品を説明できるツールができたことで、誰もがトップ営業マンのように説明できるようになり、営業スキルの底上げにも役立ちました。
解説動画の特徴や事例について紹介しましたが、もちろん解説動画は当社以外でも制作しています。このセクションでは、制作を依頼する側の立場として覚えておきたいポイントについて、simpleshowの知見も踏まえて紹介します。
解説動画を作ることを決意し、制作を依頼する会社を探し始めた場合に、まず見るべきことは何でしょうか。
一つは、制作会社が分かりやすい動画を作るための方法論を持っているかどうかです。
予算や期間などの条件に関わらず、どのような状況でも使える方法論があることは、制作後の品質を担保するために重要な点です。
例えばsimpleshowの場合でいうと、構成や演出を体系化し、大学との共同研究などを行いながら「分かりやすさ」を追求しています。また、制作工程では共通のフォーマットを用いることで、常に安定したクオリティーを担保することができています。
依頼する会社が解説動画を作るための方法論を持っているかどうか、具体的にどのような方法論なのかを企画段階で確認することが良いでしょう。
例えば、ストーリー形式以外にも、インフォグラフィックスなども手法の一つです。統計などが入る場合は、視聴者が理解しやすい形でデータを見せるための方法があるかないかで、動画のクオリティが大きく変わります。
また、こうした方法論に合わせて確認したいのが事例です。
一般的な動画制作会社では、さまざまな目的の動画を作っていることが多いです。実写、アニメーションの違いはもちろん、イメージ重視のCM動画が得意な会社や番組制作が得意な会社、ロケや中継が得意な会社、ミュージックビデオが得意な会社、そして当社のように解説動画を専門とした会社もあります。
解説動画を制作する際には、「解説動画を作る目的」「動画を見せる対象」「伝えたいメッセージ」といった最低限の情報を整理した上で、まずは制作会社に相談をしてみると良いでしょう。
私たちは産学連携の研究などを通して「分かりやすい」解説動画を追求してきました。最後に、当社が築き上げたノウハウとともに、その特徴を少しだけご紹介します。
解説動画にもさまざまなタイプがありますが、simpleshowの解説動画はすべて、主人公が登場するストーリー形式を採用しています。
ストーリーがあることによって、複数のトピックがある場合でも、一つの自然な流れの中で説明することができます。また、それぞれのトピックに時系列的な繋がりを持たせられるので、視聴者の記憶に留まりやすくなるのも利点です。
解説動画自体は、ストーリーが必須というわけではありません。例えばインフォグラフィックス動画やビデオ講義などは、ストーリーというよりも「抽象から具体へ」という論理展開や情報の列挙で構成されています。
絶対的にどちらが良いと言うことはできませんが、ストーリー形式では「トピックが多くても消化不良にならない」「流れの中で自然な行動喚起ができる」などのメリットがあります。
もう一つの特徴は視覚と聴覚の表現です。手描きのイラストとオリジナルのBGMは、単なるsimpleshowブランドの主張ではなく、視聴者の理解を高める工夫の一つです。
simpleshowのイラストは、要素を極力削ったシンプルな構成が特徴です。例えば登場人物の表情であれば、感情を表現するために最低限必要なパーツだけを描いています。
他の例では「ひらめき」を表すために電球のイラストを用いるなど、誰もがひと目見ただけで分かるようなシンボルやアイコンを使い、最低限の表現で理解を促します。
(※実際に使われているシンボルの例(左から「理解」「情報」「疑問」を表すために使っています)
また、イラストをモノクロ・平面で描くことにも理由があります。
人間の視覚は、特定の色などに注意が向きやすいという性質を持っています。
そのため、色の数が多かったりした場合、本来注目させたい部分とは違うところに目が行ってしまうおそれがあります。
あえてモノクロ・平面でシンプルに描かれたイラストを用いることにより、動画のテーマやストーリーそのものに集中しやすい状況を作り出しています。
人は、指さされたところに注目するという習性を持っています。そのため、人間の手や指を使うことが動画の中で効果的な役割を果たしています。
また、上で紹介した通り、イラスト自体は非常にシンプルな要素だけで成り立っているため、そのアクセントとしても手の動きが視聴者の視線を誘導する際に効果を発揮します。
ストーリーの中で新しい人物や要素が登場する箇所や、場面・状況が大きく変わる箇所で手を動かしたり、指をしたりすることにより、視聴者の視線をコントロールし、見てほしい場所をこちらから示すことが可能になります。
その結果、ストーリーへの理解度が高まることを狙っています。
※動画中で手が使われているシーンのキャプチャ挿入
simpleshowの動画を見る中では気づきにくい要素ですが、BGMもすべて自社オリジナルで作成しています。
ナレーションを邪魔しないようにしつつ、シーンに応じてBGMに変化をつけることで、ストーリーの理解や定着を高める狙いがあります。
また、ポイントとなる箇所では効果音なども使い、視覚的にも注目させるような工夫をしています。
解説動画は、複雑な事柄や、ひと目見ただけではよく分からないものを理解してもらうのに役立ちます。
もしブランドのイメージや商品名などを広く訴求することが目的の場合は、イメージを重視した動画の方が適しているかもしれません。しかし、視聴者に内容をよく理解してもらい、その結果として商品の宣伝や自社の広報などを行いたい場合は、解説動画を活用することも効果的です。
また、解説動画は「視聴者が理解できる」ことが肝になります。そのため、制作をする際には再現性のある方法論や制作事例を踏まえ、信頼できる制作会社を選ぶことがポイントになるでしょう。
この記事で解説したポイントを踏まえて、目的に合った動画制作・活用を行うための参考にしてみてください。
私たちsimpleshowは、「解説(説明)動画」のプロフェッショナルです。
これまでに、企業や団体の「複雑なトピックを説明したい」というニーズに応えて世界で1万本以上の動画を制作してきました。
説明動画は、「視聴者が理解できる」ことに最大の価値があると考えています。
もしあなたが説明動画を作る上で、
・商品そのものへの理解をより深めてもらいたい
・文章にすると複雑になってしまう事柄や分かりづらい商品
・サービスの説明をしたい
などのお悩みをお持ちの方は、ぜひ私たちsimpleshowにご相談ください。相談は無料でお受けしております。
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